ハスキー
今日、二川校の中2のみんなに軽い報告をした。
年末年始に、僕のドコモメールに送られてきた、
詐欺っぽいメールの話である。
始まりは昨年の12月18日だった。
「久しぶり!今電話できる?」
みたいなメールが知らないアドレスから来た。
当然、無視した。
翌日は、
「同窓会の連絡なんだけど、確認したいからすぐ連絡くれ」
的な内容が、同じアドレスから来た。
無視した。
その翌日、
「どうして連絡してくれないの、もしかしてわざと無視してる?」
というメールが来て、何かちょっとムカついて、
「もしかしてではなく、わざと無視しているに決まっているでしょう」
と丁重に返した。
怪しいメールに返信したのは、携帯電話を使い始めて二十数年で初の経験である。
すぐに返信が来た。
「人違いかもしれない、知人の男性に連絡とりたかったのだが、あなたは男性?」
的なメールだった。
無視した。
翌日も同じようなのが来た。
しつこいわね、と思って返信した。
「私は男性で、吉田・フレデリック・ジェームズです。人違いではないですか?」
これで諦めるだろうと思った。
ところが、この詐欺師はそう簡単に引き下がらなかった。
「私は宮川なおこっていいます」から始まり、
「人違いでした、でもこうして知り合えたのも何かの縁だし、よかったらお話しませんか?」
みたいな返信が来た。
何が「何かの縁」だ。
無視した。
翌日、
「よかったらあなたのお名前を教えていただけませんか?抵抗あるならあだ名でもいいです」
みたいなメールが来た。
だから吉田・フレデリック・ジェームズ!ちゃんと読め!
と思ったが、無視した。
が、連日同じようなメールが来るので、
「既に伝えましたが、私は吉田・フレデリック・ジェームズです。あだ名は『ベルリンの赤い雨』です」と返信した。
「ベルリンの赤い雨」というのは、
子どもの頃に好きだった「キン肉マン」に出てくるブロッケンJr.というキャラクターの必殺技なのだが、まあ、それはいい。
それはいいのだが、
「じゃあ吉田さんで登録しておくね!」という返信が来た。
そこは「ベルリンの赤い雨」で登録してや、と思ったが、流した。
僕はもう飽きてしまって、そこから毎日のように来るメールを無視し続けた。
しかし、相手はまるでひるまない。
この詐欺師、なかなかガッツがある。
1月1日の朝っぱらにもメールが来た。
「明けましておめでとう。2022年になったね!私の今年の目標は、吉田さんとの仲を深めることです。吉田さんの今年の目標は?」
的なメールだった。
たった数通メールをしただけで、僕は「今年の目標」にされた。
怖くない?
僕はベッドの中で寝ぼけながら、詐欺師も大変なんだな、元日の朝からこんなメールをどんな思いで送っているのだろう、そういうマニュアルになってんのかな、とか思いつつ、たとえ相手が詐欺でもからかうようなマネをしたことを多少反省し、もうこの関係は終わらせようと決意して、
「明けましておめでとうございます。私の目標は詐欺師をこけにすることです」と返信した。
もう返信はないと思ったのだが、これに対して、結構な長文メールが来た。
要約すると、「なぜ疑うのか、詐欺じゃない」ということだった。
僕は「えんびフライ」とだけ返した。
これさー、
中2と中3の子にしか通じないオチで、わからない人、申し訳ない。
気になる人は三浦哲郎の「盆土産」という小説を読んでみて下さい。
ちなみに、中2の国語の教科書に載っています。
このブログを読んだ人が読むと、より読解が深まるかもしれません。
以来、一度もメールは来ていない。
「盆土産」つえー、と僕は思った。