今日は過去の話をしてみようと思う。

 

21歳の頃、アメリカに留学したことがある。

将来やりたいことも明確になく、

英語を喋れるようになると

何となくかっこいいなと思ってアメリカに行った。

これからは英語の時代だーー!

と息巻いていた。

 

 

その語学学校は、

敷地が広く、校舎や寮がいくつも並んでいて、

一つの大学みたいになっているところだった。

 

定期的に催し物があって、

大きなホールで自分の得意なことを披露するコンテストがあった

歌を歌う人もいれば、

マジックをやる人もいれば。

僕はダンスをやっていて、フランス人のルイだかなんだかに

出ろ出ろ、と半ば無理やり出場させられた。

 

まあいいかと出場して曲を流して2分くらい踊った。

自分の想像以上に盛り上がって、スタンディングオーベーション。

 

おーーなんだこれ気持ちいいなーー

と思ってると、

そのまま優勝した。

 

インタビューだとか言って舞台に再びあげさせられて、

英語で何か聞かれたが、

何言ってるか分からんくて

「yes」と笑顔でやり過ごした。

 

 

なんかその日から有名人になって、

学校でめちゃ喋りかけられるようになった。

 

 

まあ相変わらず何を言われてるか分からん。

 

 

その中に、ブランカという女の人がいた。

スペイン人。

 

なんかやけに気に入られたらしく、

多分告白されて、

 

オッケーイエス。

 

 

付き合うことになった。

 

 

スペイン人って凄くて、

なんか情熱的。

 

説教とかしてきたりもした、

私はこういう風がいいの、あなたもこうして、

みたいな。

 

 

ヘラヘラしてやり過ごした。

 

 

 

旅行に行ったり、

お酒飲んだり、

まあ仲良くした。

 

 

 

昼夜逆転して、

授業にも行かなくなった。

遊んでいる方が英語がわかるようになるなー

と思っていた。

手段はなんでもいい、

英語を学びに来た。

 

 

 

 

二ヶ月くらいして、

ブランカがスペインに帰るということで、

お別れの時がきた。

 

ブランカは

腕に僕のサインが欲しいとか言って、

サインを書いた。

 

ブランカは泣いていた。

 

また必ず会おうと約束した。

私が日本に行くからね、と。

 

俺も行くよ、と。

 

 

 

飛行機が見えなくなるまで

空を見上げながらブランカを見送った。

 

 

 

それから二週間後のこと。

ちょっとびっくりした。

 

facebookにブランカと男の人が抱き合う写真が載っていた。

 

 

えーーーー

 

 

 

 

帰国してからというものの、

僕は英語をほとんど使っていない