ハスキー

中3夏期講座初日、豊橋本校で、松岡先生と一緒だった。

松岡先生と講座に入ると、必ず思い出す。
新卒1年目、僕は、ただの一度も松岡さんと校舎で一緒にならなくて、
初めて松岡さんと講座に入ったのが、2年目の夏期講座初日だった。
もう十五年近く前の話だ。

「松岡先生、授業、聞いてていいですか?」と僕は言い、
教室の外で、中3英語の授業を聞かせてもらった。
衝撃だった。
当時から、松岡先生はゴリラパワー炸裂で(すみません)、
松岡先生にとっては初めてのクラスの中3生たちに、
ほとばしるエネルギーを全力でぶつけて、
クラスを引っ張り、盛り上げ、大笑いさせていた。

トトロの話と、ケミストリーの話も、忘れられない。
今はもう、話してないのかなあ?

クラスがちょっと盛り上がりに欠けると、
「お前ら今、どういう気持ちで俺を見ているんだ!」
「俺を一人にするんじゃない!」
と説教が始まる。
それで、生徒がまた笑う。

十五年間。
色々あった。
僕も、松岡先生も。
松岡先生自身、
迷ったり、
バランスを取ろうとしたり、
調整をかけたり、
手探りだった部分もあったのだろうと思う。

でも、夏期講座初日、
久しぶりに聞いた松岡先生の授業は、
ゴリラパワーでフルパワーだった。

僕は、こんなふうになるのは無理だ。
十五年前と同じように、そう思った。

僕は僕で、別の形の元気を、別の形の授業で、
何とかしていかなくちゃいけない。
それは、十五年前、松岡先生の授業がくれたひとつの希望であって、
上手く言えないが、いまだに、そうだ。

松岡先生、ありがとうございます。
僕もまた、頑張ります。