ハスキー

二川校に、すごい生徒がいる。
五並中の2年、テンマ君という男の子なのだが、
定期テストで9回連続1位を獲り続けている。

僕も長いことこの仕事をやっているけれど、
定期テストの連続1位、
今まで見た最高記録はたぶん5連続で、
それも十分すごいけれど、
9連続、というともう、異次元の領域だ。
何しろ、中1のスタートから現在に至るまで受けた、
全ての定期テストで1位、というわけで、
驚異的、と言う以外にない。

授業中のスピード、正確性、
難問への対応力、半端ではない。
解くときは、必要最小限のことしか書かない。
しばらく頭の中でピコピコピコとやって、
何か書き始めたと思ったら、
一発でピコーンと答えを出す。
手品か何かのようだ。
スポーツで抜群のコントロールを誇る選手を「精密機械」なんて呼ぶけれど、
そういう感じ。
それでいて、授業はとても楽しそうに受けてくれている。

そして、テンマ少年は、
授業中、他の誰もやっていないことを、明確にやっている。
それは、僕が授業中に伝える、
直接はテストに関係ないようなことも含めて、
全てテキストに書く、ということだ。

例えば去年、中1の化学、水溶液の授業で、
僕が、食塩の飽和水溶液を利用した推理小説のトリックを雑談半分に話したことがあった。
そのときなど、テンマ君は、
この子は完全犯罪を実行するつもりなんじゃないかというくらい、
その説明の全てを事細かにテキストに書き込んでいた。

先日の気象の授業なんかでも、
乾湿計という実験器具について、なぜ湿っている方が温度が低くなるのか、
ということの解説として、
プールから上がったときに寒く感じる理由や、
夏に打ち水をすると涼しくなる仕組みについて、
僕が絵心ゼロの絵を描きながら伝えると、
その絵まで忠実に再現して、テンマ少年はテキストに所狭しと書き込んでいた。

テンマ君を見ていると、
勉強が出来ることの喜び、とは別に、
もっと純粋な、
新しく何かを知ること、
その喜びを感じながら勉強しているように思う。
それが、見ていて清々しくて、とてもいい。

明日からの冬期講座でも、初めてテンマに会う先生たちに、
すごいところ見せてやってくれ!
これからも、開拓塾を楽しんでね!